通常、パソコン(IT機器)の電源を切る際はマウスを操作した上で「シャットダウン」を行います。
これは、パソコンも含めたIT機器全般に共通していることですが、電源をいきなり落とすとデータが壊れたり本体そのものが故障するリスクがあるからです。
シャットダウンをしても「直ぐに電源が落ちない」理由は、そのようなリスクを避けるためにパソコン(IT機器)の内部で安全に電源を落とすための作業(データ保存など)が行われているからです。
パソコン等の電源操作に少し触れたところで、この記事では次のポイントについて分かり易く解説します。
記事のポイント
UPS(無停電電源装置)の必要性
UPS搭載機種を搭載した、おすすめの大容量ポータブル電源を紹介
この記事を読んで頂くことでUPS(無停電電源装置)が必要な理由と、ポータブル電源に必要な蓄電容量を理解する事が出来ますので、ぜひ最後までご覧ください。
UPS(無停電電源装置)の必要性
UPS(無停電電源装置)とは、停電などでパソコン(IT機器)の電源がいきなり落ちる事を防いでくれる「非常用バッテリー」の事ですが、UPS(無停電電源装置)を簡単に解説すると・・
用語の解説
UPS(無停電電源装置):停電時にパソコン(IT機器)の電源が安全に落とせるように「時間と電力をバックUPしてくれる機器」のこと。
また、UPS(無停電電源装置)はソフトウェアを使うことにより、安全に「停止命令(シャットダウン信号)」を送る事も出来ます。
停電時の備え
UPS(無停電電源装置)の役目をご理解頂けたところで、ここからは実際におこる「リスク」について解説をしていきます。
「リスク」と聞くと多くの方が「停電?」と思う反面、「停電なんてここ数年経験していない」と答える方も多いのですが、実際はそうではありません。
先ずは上の表をご覧ください。
これは、2022年4月16日に発生した「関西電力エリアで起こった停電の履歴」になるのですが、短時間の停電がこの日だけで6件発生している事が見て取れます。
短い停電だと「南あわじ市で発生した1分間の停電」になるのですが、実はこのような停電(数分~数時間単位)は頻繁に発生しているのです。
また、日の出から日没までの「明るい時間帯」に発生した停電だと気づかない人もいるのですが、この短時間の停電でさえパソコン(IT機器)には致命傷となる事は、シャットダウンをしても直ぐに電源が落ちない理由を知っていれば容易に理解できるはずです。
停電以外のリスク
発電所から電気が供給されない「停電」以外にも、パソコン等が受けるリスクは潜んでいます。
パソコン(IT機器)が晒されるリスク
人為的なミス ➡ 誤ってコンセントを抜いてしまう
落雷や設備(発電機や無線装置)から受けるノイズ干渉
落雷により、供給される電圧が急上昇する
電力会社が行う送電線の切替え時に発生する「瞬時停電」
このような事が発生した場合にパソコン(IT機器)が受ける影響としとは次のものがあげられます。
パソコン(IT機器)が受ける影響
メモリの停止
システムロックやシステムクラッシュ
データの破損
ハードウェアの破損
プログラムやデータファイルに不具合が発生
例えばパソコンを起動した際に、普段とは違う画面が映し出された経験をお持ちの方もいるでしょう。
これは、これまで解説をした「リスク」にパソコン(IT機器)が晒された可能性がありますが、このような不測の事態から「大切なデータを守る必要」があるのでUPS(無停電電源装置)が必要となるのです。
UPS搭載機種を搭載したおすすめのポータブル電源
UPS(無停電電源装置)があれば「ポータブル電源」は必要無いのでは?と考える方もいますが、実際はそうではありません。
UPS(無停電電源装置)に搭載される蓄電容量では10分程度しか電力供給が行えないため、バックアップに時間がかかるパソコン等の場合はポータブル電源も必要となるのです。
そうなると、UPS(無停電電源装置)とポータブル電源の両方を用意する必要があるのか?思われる方もいますが、ここからは「大容量ポータブル電源のUPS搭載機種」について解説をします。
UPS搭載機種:蓄電容量と切替え時間を比較
ここではUPS(無停電電源装置)機能を搭載したポータブル電源をご紹介します。
メーカー | 型 番 | 蓄電容量 | UPS(切替え時間) ※10ms=0.01秒 | 販売価格(税抜) |
新潟電子工業 | NE-BAT1000-B/Y | 1,000Wh | 0.01秒 | オープン価格 |
EcoFlow | EcoFlow DELTA Pro | 3,600Wh | 0.03秒 | 400,000円 |
EcoFlow | EFDELTA (1260Wh) | 1,260Wh | 0.05秒 | 126,818円 |
東西商事 | MU2000WE | 2,048Wh | 0.02秒 | 262,000円 |
ニチコン ※医療用OK | ESS-P1S1 | 2,000Wh | 0.01秒 | 550,000円 |
エリーパワー(下画像) | PPS-30 | 2,500Wh | 0.004秒 | オープン価格 |
プライム・スター | PR-HUG-5100BK | 5,120Wh | 0.002秒 | オープン価格 |
UPS(無停電電源装置)の切替に要する時間と、ポータブル電源の蓄電容量を比較しましたが、切替え時間が早い機種ほどパソコン等に与える影響も最小限に抑える事が出来ます。
ここがポイント
UPS機能(無停電電源装置)の「切替え時間」は、10ms以内がおすすめです。
※医療用蓄電池|UPS(無停電電源装置)搭載に関する記事はこちら⇩⇩⇩
まとめ
この記事では、UPS(無停電電源装置)の必要性、パソコン(IT機器)が日常的にさらされているリスク、UPS機能を搭載したポータブル電源についてそれぞれ解説をしましたが、最後にポイントを整理しておきます。
記事のまとめ
UPS(無停電電源装置)は停電時にPCなどの電源を「安全に落とす」ためのもの
UPSは停電時以外にも「人為的なミス」をカバーするために必要
UPS機能を搭載したポータブル電源は「切替え時間が重要」=理想は10mn(0.01秒)以内
冒頭にも解説をしましたが「停電」は、ほぼ毎日のようにどこかで発生しています(大手電力会社:停電情報アプリで確認することも可能)。
この記事を書いた「2022年4月17日」だけでも「大阪府で4件の停電」が発生(下表)している事からも分かる通り、停電の発生は決して珍しい事では無いのです。
そのため、最近では業種を問わず多くの企業がUPS(無停電電源装置)の導入を進めていますが、ポータブル電源も併せて導入する企業も増えており、医療機関に於いては「UPSとポータブル電源の設置」はスタンダードになりつつあります。
この記事をきっかけにUPS(無停電電源装置)が搭載されたポータブル電源を検討してみては如何でしょうか。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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