ポータブル電源の購入を考えている方の多くが「使用する電化製品」をイメージしているかと思いますが、その電化製品が「使用できる時間の目安」をご存知でしょうか?
例えば、車中泊で「電子レンジ」を使用したいと考えている場合ですが、どのポータブル電源を選べば良いのか?或いは、どの程度の容量が必要なのかについては、初心者の方が検討するにはとても難しい作業だと言えます。
そこでこの記事では、【ポータブル電源】初心者の方必見|電化製品が使用できる時間の目安について解説をします。
記事のポイント
コンセントにまつわる「ルール」を知っておく必要がある
ポータブル電源の容量から、電化製品が使用できる時間の目安が分かります
ポータブル電源の「実際に使える容量」が分かります
初心者の方でも分かる「計算方法」を解説
これからポータブル電源の購入を考えている方で電化製品の使用できる時間が分からない方は、ぜひ最後までご覧ください。
ポタ電を使用する前に知っておきたい「コンセントのルール」
普段、電化製品を何気なく使っている方も多いかと思いますが「コンセント」には「上限」が定められている事をご存知でしょうか?
日常生活に於いては気にする必要も無いのですが、ポータブル電源で電化製品を使用する場合は必ず知っておきたい基本的な事です。
ここでは、コンセントのルールについて簡単に解説をします。
電気に必要な用語を3つ解説
電気の説明をする上で欠かせない「単位が3つ」ありますので、先ずは簡単に解説をしておきましょう。
電気に関係する単位
電流:A(アンペア)・・流れる電気の量
電圧:V(ボルト)・・電気を押し出す力
電力:W(ワット)・・消費される電気エネルギー
それぞれの単位についてご存知の方も多いと思いますが、ポータブル電源の購入を検討する際に「この3つの単位」を知っておく事はとても重要です。
また、消費される電気エネルギーを計算する際に用いられる「公式」については次の通りですが、こちらも覚えておくと便利です。
電力(W)の公式
ワット(W)= アンペア(A)× ボルト(V)
コンセントの上限?
電気エネルギー:W(ワット)の計算方法を整理した上で、次に知っておきたい事は「上限の値」についてです。
例えば、上画像のようなコンセントを見た事がある人も多いかと思いますが、一般的に家庭で使用するコンセントには「ワット数に上限」が定められています。
ここがポイント
家庭用コンセントの上限:1口のコンセントあたり、ワット数=1500W(ワット)までが上限
1ヵ所のコンセントで使用できるのは「1500Wが上限」と決まっているためこのような表示があるのですが、キッチン回りや洗面化粧台のコンセントに表示されているケースが多いので、機会があれば探してみてください。
また、一般的に使用されるコンセントの電圧は「100V(ボルト)」である事は皆さんご存知かと思いますが、これを先ほどの公式に当てはめると「電流A(アンペア)の上限」も知ることが出来ます。
A(アンペアの上限)
・電力・1500ワット(W)= ?(A)× 100ボルト(V)
・電力・1500ワット(W)÷ 100ボルト(V)= 15(A)
この結果を踏まえて整理をすると・・
ここでのポイント
コンセントのワット数の上限:1500ワット(W)まで
コンセントの電流の上限:15アンペア(A)まで
ポータブル電源に必要なスペック
電気の基本的な事について分かったところで、ここでは「ポータブル電源に必要なスペック(仕様)」について解説をします。
ポータブル電源のスペック(仕様)には上画像のように「AC出力(定格):○○○W」などの表示が必ずあるのですが、こちらの機種の場合は「1500ワット(W)」と記載がある事が分かります。
1500ワット(W)は、先程解説をした家庭用コンセントの上限と同じ値なので、このポータブル電源であれば一般的に家庭で使用する電化製品を使う事が出来ます。
また、このAC出力(定格)はポータブル電源によってそれぞれ違いますが、家庭で使用する電化製品を全て使いたい場合は「AC出力1500ワット(W)以上」のポータブル電源を選ぶ必要があります。
ここがポイント
AC出力(定格)1500ワット(W)以上のポータブル電源であれば、日常の電化製品は全て使用できます。
電化製品が使用できる時間の目安は?
コンセントの上限とポータブル電源のスペックについて触れたところで、ここからは「ポータブル電源で電化製品が使用できる時間の目安」について解説をしますが、先程のポータブル電源を例にここでは解説をします。
ポータブル電源の「蓄電容量」と変換効率を確認
ポータブル電源の商品ページには「容量・蓄電量量」が記載されているのですが、LK1500の蓄電容量は「1,344ワットアワー(Wh)」が搭載されるバッテリーの容量です。
また、ポータブル電源各社の蓄電容量を調べるには「メーカーのHPや商品ページ」を見ればすぐに分かるのですが、この1,344Whの電力が全て使えるか?と言うとそうではありません。
ポータブル電源には「変換効率」と呼ばれるものがあり、電化製品の使用時間を検討するには、この変換効率がとても重要になります。
変換効率について
- ポータブル電源などのバッテリーには「直流の電気」しか蓄える事ができない。
- ポータブル電源のコンセントからAC100Vの電気を出力する際に、直流を交流に変換する必要がある。
- 直流から交流に電気を変換する際に「ロスが発生」 ➡ 変換効率と言います。
ここがポイント
ポータブル電源に記載のある蓄電容量を全て使用する事は出来ないため、変換効率を考慮する必要があります。
ポータブル電源の変換効率を調べる方法
ポータブル電源の商品ページには、下画像のような「電化製品を使用する目安の時間」が記載されていますが、ここには電化製品の「定格消費電力」と「使用可能時間の目安」が表示されています。
例えば、ここに記載されている「エアコン」を例に考えてみましょう。
記載内容を確認
・エアコンの定格消費電力:500W
・使用時間:2時間20分
これは、ポータブル電源が満充電(電池残量100%)の際、500Wのエアコンを連続2時間20分使用する事が出来る事を表していますが、このエアコンの場合、1時間で消費される電力が500Wです。
では、2時間20分の場合の消費電力を計算すると、答えは「1,166W」になる事が分かります。
この事から、LK1500の蓄電容量「1,344Wh」と、エアコンを2時間20分使用した際の消費電力「1,166W」の差が、変換効率の目安となる訳です。
変換効率を求める
①消費電力:1,166W ÷ 蓄電容量:1,344Wh ≒ 0.867
②0.867 × 100 = 86.7% これが変換効率の目安になります。
電化製品が使用できる時間を計算
変換効率については、選ぶポータブル電源によって記載されている場合もありますが、多くの場合は明記されていませんので、このような計算方法で「変換効率の目安」を求める必要があります。
先程の計算からLK1500の場合は「変換効率が86.7%」と、目安が分かりましたのでこれを元に電化製品の使用できる時間を計算しますが、計算の元になる電化製品によっては、ここの値(86.7%)は前後しますのでご注意ください。
電化製品の定格消費電力から計算
ここでは、定格消費電力:200Wの液晶テレビを例に計算をしてみます。
step
1蓄電容量1,344Whに変換効率・86.7%を掛ける ≒ 1,165W
step
11,165W ÷ 200W = 5.825
step
15.825 ≒ 5時間50分
ここがポイント
LK1500では、定格消費電力:200Wのテレビを5時間50分観る事ができます。
このような計算をすることで、他のポータブル電源でも「ポータブル電源で電化製品が使用できる時間」を計算する事ができます。
まとめ
この記事では、【ポータブル電源】初心者の方必見|電化製品が使用できる時間の目安について解説をしましたが、最後にポイントを整理しておきます。
記事のまとめ
コンセントで使用できる電力の上限は1500Wと決められている
一般的な電化製品の定格消費電力は1500W以下で設計されている
AC出力1500W以上のポータブル電源であれば、身の回りの電化製品はほぼ全て使えます
ポータブル電源の容量は、変換効率を必ず考慮する必要があります
ポータブル電源の選び方が分からず、購入した後に「電子レンジが使えなかった」などのトラブルも多く発生しているのですが、消費電力の大きな電化製品をポータブル電源で使用する場合はご注意ください。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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