ポータブル電源を選ぶ際の重要なポイントの一つに「電気の波形」があります。
電気の波形
家庭用コンセントから流れる電気を「交流:AC」と呼び、交流はプラスとマイナスを交互に繰り返すため「下図(左:正弦波)のような波形」を描きます。
通常、ポータブル電源の内部には「直流:DC」の電気が蓄えられるのですが、電化製品を使用するには「直流(DC)を交流(AC)に変換させる」必要があり、この変換させる作業をポータブル電源内部にある「インバーター」と呼ばれる機器が行います。
※波形についてもう少し詳しく知りたい方はこちら⇩⇩⇩
そして、このインバーターから出力される交流(AC)にはいくつかの種類(波形の種類)があり、波形の種類によっては「家電製品が使えない」ことがあるのです。
そこでこの記事では、ポータブル電源から出力される矩形波で使用出来ない電化製品を実際に使うとどうなる?かについて解説をします。
記事のポイント
電化製品は「正弦波」を基準に設計されている?
ポータブル電源には、出力される「波形」に種類がある
矩形波と疑似正弦波のポータブル電源は注意が必要
ポータブル電源の波形で「大切な電化製品を壊したくない方」は、ぜひ最後までご覧ください!
電化製品は「正弦波」を前提に設計されている
普段、私たちが使用する家庭のコンセントからは「正弦波(下図:左)」の波形を描く交流の電気が流れています。
そのため、多くの電化製品は「正弦波」を使用する事を前提に設計されているのですが、ポータブル電源の種類によっては「矩形波(上図:右)」のような波形の交流:ACが出力されるものがあります。
しかし本来は、インバーターから出力される電気は「矩形波のような波形を作る事が一般的」なため、波形そのものに問題は無いのですが、ポータブル電源から出力される電気の場合は「この波形が大きく影響」するのです。
先の解説の通り、電化製品は正弦波を前提に設計されているため、それらの電化製品に矩形波を使用することで「ノイズの発生」や「動作が不安定」になる事があります。
そして、その状態が長く続けば電化製品の故障を招く事になるのです。
矩形波で使用出来ない電化製品は?
矩形波を出力するいくつかのポータブル電源の取扱い説明書には「パソコンやテレビの使用は問題ありません」と記載があるのですが、それらの電化製品を矩形波で使用することはおすすめ出来ません。
基本的には精密機器やモーターを搭載した電化製品(掃除機や扇風機など)には、使用する事は避けた方が良いでしょう。
✽矩形波で使用できない(おすすめ出来ない)電化製品
矩形波で使用できない電化製品
パソコン
テレビ
電子レンジ
冷蔵庫
炊飯器
照明器具(調光機能があるもの)
注意が必要
基本的には、身近な電化製品の殆んどが「矩形波」で使用する事は出来ません。
また、ACアダプターを使用する電化製品についても使用は控えた方が良いでしょう。
矩形波で使用できる電化製品
白熱灯
ホットプレート
矩形波で使用できる電化製品には限りがあり「熱を発する単純なつくり」のものには使用する事が可能です。
矩形波のポータブル電源
ここでは「矩形波」を出力するポータブル電源を参考までにご紹介致します。
矩形波のポータブル電源の特徴は「安価」であることから、最低限の防災用電源として購入される方も多いようです。
また、疑似正弦波・修正正弦波のポータブル電源も同様、使用できる電化製品には制限があるため購入する前に「波形を確認する」ことがおすすめです。
※一部のポータブル電源には「波形の記載が無い」ものがありますのでご注意ください。
矩形波のポータブル電源で電化製品を使うとどうなる?
矩形波について解説をしましたが、一番気になるのは「矩形波のポータブル電源で電化製品を使うとどうなる?」のかについてです。
ここからは、矩形波を実際に使用した場合の「不具合」について解説をします。
矩形波でシュレッダーを使用
矩形波のポータブル電源で上画像のシュレッダーを使用した場合は、「電源ランプ(緑)が点滅」し始めます。
もちろん通常使用の場合は「点灯」しているだけの電源ランプですが、矩形波で使用した場合はそのような異常が見受けられました。
書類を裁断する動作には異常を感じませんが、電源ランプの点滅はシュレッダー本体に悪影響を及ぼすサインだと言えます。
矩形波で扇風機を使用
続いては業務用扇風機を矩形波で使用した場合ですが、扇風機は通常通り使用する事が出来るのですが「明らかな異音」が終始聞こえます。
通常のモーター音よりも「高音のモスキート音」が聞こえるため、明らかにモーターへの負荷が掛かっている事が分かります。
このように、矩形波のポータブル電源を使うと「何らかの異常がある」ため、精密機器やモーターを搭載した電化製品には使用しないことがおすすめです。
まとめ
この記事ではポータブル電源から出力される「矩形波で使用出来ない電化製品を実際に使うとどうなる?」かについて解説をしましたが、最後にポイントを整理しておきます。
記事のまとめ
ポータブル電源を選ぶ際は「波形」に注意
正弦波と純正弦波「以外の波形」には注意
矩形波・・電子レンジ テレビ パソコン などはNG
矩形波で使用できる電化製品は「白熱灯」「ホットプレート」程度
矩形波を出力するポータブル電源を「日常で使う」には制限が多いためおすすめは出来ませんが、防災用(停電用)に「白熱灯専用」などの用途でお使いの場合は問題ありません。
最後に、ポータブル電源は高価なものが多く「少しでも安く購入したい」と考える方も多いのですが、このような「波形の違い」を見落とすと本来の使い方が出来ない事があるため注意が必要です。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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