原油価格の上昇に伴い「エネルギー」に興味を持つ方も増えています。
その影響もあってか、ポータブル電源の市場は成長を続けていますが、そもそも「ポータブル電源」について知らない方も多いのが現状です。
発電機の場合は殆どの方が「知っている」と回答されるのに対し、ポータブル電源の事を聞いても「分からない」と答える方は少なくありません。
ポータブル電源を簡単に説明すると「モバイルバッテリーよりも大きなもの」になりますが、モバイルバッテリーとポータブル電源の大きな違いは「コンセントがあるか?」「AC100V(ボルト)が使えるか?」です。
※ポータブル電源とモバイルバッテリーの違いはこちら⇩⇩⇩
この記事では、ポータブル電源・発電機の違い8選とそれぞれのメリット・デメリットについて解説をします。
記事のポイント
ポータブル電源と発電機の違いが分かる
ポータブル電源と発電機のメリット・デメリットが分かる
ポータブル電源と発電機の使い分けが分かる
ポータブル電源を知らない方にも分かり易く解説をしますので、ぜひ最後までご覧ください。
ポータブル電源と発電機の違い8選
ここからは、ポータブル電源と発電機の違い「8選」についてそれぞれ解説をします。
専門用語や難しい解説は割愛しますので詳しく知りたい方には物足りないかも知れませんが、予めご了承ください。
使用する「エネルギー」が違う
発電機が必要とするエネルギーは「ガソリン」です。
ガソリンさえあれば電気を作り続ける事が出来る発電機に対して、ポータブル電源は「電気を蓄える(蓄電)」事が目的なので自力で電気を作る事は出来ません。
※ポータブル電源はソーラーパネルがあれば「発電」することが出来ます。
しかし、ガソリンについては「極めて引火性が高い」ため、取り扱いには細心の注意が必要です。
災害時のガソリンを取り扱うリスクを避けたい方にとっては「ポータブル電源」がおすすめです。
発電機 | ポータブル電源 | 重要なポイント | |
エネルギー | ガソリン | 電気 | ガソリンは腐るため長期保管が出来ない |
自力で発電 | ◎ | 〇 ※ソーラーパネルで発電可能 | ソーラーパネルを購入する必要がある |
使用時の専門知識 | 要 | 不要 | 発電機はメンテナンスが必要 |
臭い | × | ◎ | ガソリンの臭い |
※発電機のガソリンに関する記事はこちら⇩⇩⇩
「メンテナンス」が違う
先にも少し触れましたが、発電機の場合はメンテナンスが必要不可欠です。
ガソリンは腐るため、発電機を使用しない場合は「ガソリンを抜く作業」が必要となりますが、使用しない場合に於いても「定期的なメンテナンス」は必要です。
ポータブル電源の場合は蓄えた電気が「自然に放電」するため、長期に渡って使用しない場合(防災用・停電用に保管する場合)は、半年に一度は「電池の残量」を確認する必要があります。
発電機 | ポータブル電源 | 重要なポイント | |
メンテナンス | 必要 | 不要 | ガソリンは放置すると目詰まりを起こす |
専門知識 | 要 | 不要 | ガソリンを保管する際の知識も必要 |
保管場所の温度 | ◎ | △ | ポータブル電源は寒さと暑さに弱い |
※ポータブル電源の温度に関する記事はこちら⇩⇩⇩
発電する「電気の量」が違う
発電機とポータブル電源を比較した場合、供給できる「電気の量」は一般的に発電機の方が上です。
しかし、最近ではポータブル電源にも「大容量」の機種が登場している事もあり、ここを比較するのは難しくなってきました。
発電機 | ポータブル電源 | 重要なポイント | |
電気の供給量 | ◎ | 〇 | ポータブル電源の蓄電容量に依る違い |
電力量あたりの ランニングコスト | 高い | 安い | 発電機のガソリンダ代の方が高い |
※大容量ポータブル電源に関する記事はこちら⇩⇩⇩
「重さ」が違う
発電機には「エンジン」が搭載されているため、小型のものでも10㎏程度の重量があります。
しかし、ポータブル電源の場合は、蓄える電気の量(蓄電容量)に応じて「重さが異なる」ため、用途に応じた機種を選べば女性でも簡単に持ち運びが可能です。
メーカー | Eco Flow | Eco Flow | HONDA | JVC ケンウッド |
ポータブル電源 本体 | ||||
型番 | RIVER Plus | RIVER Max | E500(JN1) | BN-RB62-C |
重量 | 7.6㎏ | 9.12㎏ | 5.3㎏ | 6.5㎏ |
使用できる「時間」が違う
ポータブル電源の場合は「電池残量」が無くなるまで使用することが出来ますが、使う電化製品やポータブル電源の蓄電容量によって使用時間は異なります。
一方、発電機の場合は「ガソリン」があれば何時間でも連続運転が出来るため、長時間に渡り電気が必要な場合はおすすめです。
発電機 | ポータブル電源 | 重要なポイント | |
連続運転 | ◎ | 〇 | ポータブル電源の蓄電容量により異なる |
エネルギー の補給方法 | ガソリンを入れる | 充電をする | 2時間以内に充電できる機種もある |
発電機の場合「給油作業」は数分で終えますが、ポータブル電源は「充電」をする必要があり、充電時間は機種によって大きく異なります。
しかし、最近では充電時間が極端に短いポータブル電源が登場している事もあり、充電速度も飛躍的進化を遂げています。
使用できる「温度」の違い
発電機の場合は気温や湿度を気にする事なく使用することが出来ますが、ポータブル電源の場合は「機種ごとに推奨使用温度」が設定されています。
注意が必要
一般的にポータブル電源が使用できる温度は -10℃~40℃前後 になります。
そのため、極端に寒い地域での使用や炎天下での使用については発電機の方が優れています。
※ポータブル電源の温度に関する記事はこちら⇩⇩⇩
使用する際「音」の違い
ポータブル電源は「熱に弱い」ため、ポータブル電源内部の温度が上昇することで「冷却ファン」が作動します。
その際に「音」はしますが気になるほどではありません。
しかし、発電機の場合は「エンジン音」がする(電気を使用していない場合もエンジン音がします)ため、室内や静かな場所での使用には不向きです。
※発電機のエンジン音トラブルに関する記事はこちら⇩⇩⇩
「排気ガス」の違い
最後は「排気ガス」の違いについてです。
先程の「音の問題」と併せて、発電機の場合は「排気ガス」が懸念されます。
また、最近の傾向としては世界的に「再生可能エネルギー」が注目されていることからも、化石燃料を使用する「発電機」にとっては向かい風となっています。
ポータブル電源も「火力発電所から供給された電気で充電」するこも多いですが、今後は「ソーラーパネルを使った再生可能エネルギー」が主流となっていく筈です。
※発電機の「騒音・排気ガス」に関する記事はこちら⇩⇩⇩
ポータブル電源と発電機のメリット・デメリットを比較
ポータブル電源と発電機の違い8選について解説をしましたが、ここではお互いのメリット・デメリットについて整理しておきます。
評価の方法
- 〇:良い メリット
- △:普通
- ×:難しい 不向き デメリット
発電機の場合 | ポータブル電源の場合 | おすすめポータブル電源 | メーカー 型番 | |
使い易さ | △ | 〇 | Jackery ポータブル電源 1000 | |
燃料補給:充電 の使いやすさ | △ | 〇 | EcoFlow RIVER Max | |
メンテナンス性 | × | 〇 | ASAGAO AS2K-JP | |
使用できる 電気の量 | 〇 | △ ※蓄電容量に依る | EcoFlow DELTA Pro | |
持ち運び:重さ | × | △ | HONDA LiB-AID E500 | |
使用できる時間 | 〇 | △ | パワーゲート ジャパン PGJ-7000 | |
使用環境:温度 | 〇 | △ | EcoFlow RIVER Pro | |
音の問題 | × | 〇 | EcoFlow DELTA Mini | |
排気ガスの問題 | × | 〇 | JVCケンウッド BN-RB37-C |
ポータブル電源と発電機を使い分ける
このように、ポータブル電源と発電機にはお互い「メリット・デメリット」があります。
そのため、場所や用途に応じてポータブル電源と発電機の使い分ける事も必要です。
発電機の使用がおすすめのケースは?
ここでのポイント
長時間「電力供給」が必要な屋外で使用する場合
メンテナンスが出来る方
音・排気ガスを気にする必要が無い場合での使用 など
ポータブル電源の使用がおすすめのケースは?
ここでのポイント
ガソリンの取扱いが不安な方
災害時(停電時)に電気を使いたい方
メンテナンスが苦手な方
電気を持ち運んで使いたい方
音や臭い(排気ガス)に敏感な場所で電気を使う場合 など
まとめ
この記事ではポータブル電源・発電機との違い8選|メリット・デメリットについて解説をしましたが、最後にポイントを整理しておきます。
記事のまとめ
屋内で使用するなら「ポータブル電源」
音や排気ガスの制限を受けないなら「発電機」
メンテナンスが面倒だと思うなら「ポータブル電源」
発電機は、音、排気ガスの問題が無く、屋外使用であればおすすめ
ポータブル電源は、「発電機の使用不可」の場合におすすめ
ポータブル電源の性能は日々進化しているため、これから発売予定の機種にも多くの期待が寄せられています。
しかし現状に於いては、発電機の使用が効果的な場合もあるためポータブル電源と発電機に優劣をつける事は難しく、用途と場所に応じた使い分けをすることでお互いのデメリットが補えるのです。
ただ、「再生可能エネルギー」「クリーンエネルギー」に対する意識が高まっている現在に於いてはポータブル電源の方が先行きが明るく、今後は「発電機を超えるポータブル電源」を開発する企業が出てくるかも知れません。
最後に、ポータブル電源を購入する場合は最低限の知識が必要となりますので、容量や価格だけで選ぶのでは無く「使用する目的」を決めた上で、メーカーや販売店に確認するようにしてください。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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