近年では、気候変動の影響により異常気象が増加し、全国各地で水害のリスクが高まっています。
水害のリスクが高まる中、BCPの策定が義務化された介護事業所や、クリニックなどの施設でも非常用電源の導入が進んでいますが、この記事では非常用電源(発電機)の水害リスクについて解説をします。
特に、川や海の近くに位置する施設は、発電機が水没するリスクが懸念されています。
記事のポイント
- LPG発電機(BCPジェネレーター)の特徴
- 発電機の水害対策
小規模ホームとクリニックに発電機の導入をお考えの代表者さまやご担当者さまは、ぜひ最後までご覧ください。
LPG発電機の特徴とその利点
LPG発電機は近年の技術革新により、多くの場面での使用が増えてきました。
その背景には、LPG発電機が持つ多くの特徴と利点があるのですが、ここでは、LPG発電機(下画像)の主な特徴とその利点について詳しく解説します。
尚、この記事では「BCPジェネレータ 常用/非常用ガス発電機 60Hz / 50Hz 単相 最大出力8.5kW(上画像)」を基に、解説をしております。
※以下:BCPジェネレーター
BCPジェネレーターの基本的な構造
BCPジェネレーターは、液化石油ガス(LPG)と都市ガスを燃料として動作する発電機です。
その構造は、非常にシンプルで「燃料タンク、発電部、制御部」から成り立っていますが、BCPジェネレーターの場合は、燃料タンクは内蔵していないため、LPガスシリンダー(ボンベ)とBCPジェネレーターを、付属のガスホースで接続します。
解説
- 燃料タンク・・LPGガスを保存する部分。
- 発電部・・ガスを燃焼させて電気を生成する部分。
- 制御部・・発電機の動作を制御する部分。
コンパクトな設計の利点
BCPジェネレーターの最大の特徴の一つは、そのコンパクトな設計です。
これにより、限られたスペースや狭い場所にも設置が可能となるため、既存の建物への導入も比較的容易に行う事ができるのです。
BCPジェネレーターの利点
- 狭い場所でも設置可能・・タタミ1畳の中に納まるサイズ。
- 移動が容易・・本体重量が約170㎏なので、軽トラックに乗せて運ぶことも可能。
- 設置場所を選ばない・・本体の重量が軽く、コンパクトサイズ:124.7 x 71 x 72(cm)。
災害時の緊急対応能力
BCPジェネレーターは、最速でインフラを届けることが出来るツールとなります。
先程「BCPジェネレーターの利点」でも触れましたが、軽トラックに搭載することで「電気を必要とする現場」へ、最速でインフラを届けることが可能になります。
運転免許証さえあれば、だれでも大量の電気を届けることが出来る「電源車」としての利用価値は、無限大です。
BCPジェネレーターは、その多様な特徴と利点により、さまざまなシーンでの使用が期待されていますが、災害時の緊急対応や、限られたスペースでの使用が求められる場面での利用価値は非常に高いです。
水害リスクへの対応|BCPジェネレーターの設置の柔軟性
水害は近年、多くの地域で深刻な問題となっています。
特に、都市部や沿岸部では、豪雨や台風による浸水被害が増加しています。
また、このような状況下では、電源の確保は非常に重要になるのですが、発電機の水害リスクへの対応も重要です。
浸水リスクを軽減する設置場所
BCPジェネレーターの浸水リスクを軽減するには、高所への設置や、車両に搭載する方法の2つが考えられます。
例えば、施設の屋上などへの設置が想定されますが、重量の軽いBCPジェネレーターであれば、そのような設置も可能です。
また、先程の軽トラックの例のように、車両へBCPジェネレーターを搭載すれば、容易に移動させる事ができるため、浸水のリスクから発電機を守る事が出来ます。
注意が必要
建物への設置については、専門家への相談が必要となります。また、車両への搭載方法にも定めがあります。
BCPジェネレーターの設置|おすすめの施設は?
小規模ホームやクリニックなどの施設では、その利点を最大限に活用することができます。
また、BCPジェネレーターは比較的「小規模の建物」への給電に向いているため、コンビニエンスストアや薬局などの店舗や、ペットショップの「エアコン用の非常電源」としての導入実績もあります。
小規模ホームでのBCPジェネレーターの活用
高齢者は身体的・精神的な健康状態が脆弱であり、停電時のリスクは非常に高いことは言うまでもありません。
BCPジェネレーターを導入することで、停電時でも施設内の電源を確保し、高齢者の安全を守ることができます。
施工事例
共用部分の電源確保・給水ポンプや水廻りの電源・エアコン専用の電源確保など。
クリニックでのBCPジェネレーターの活用
クリニックでは、患者の命を救うための医療機器が数多く使用されていますが、停電時にこれらの機器が停止すると、患者の命に直接的な危険が及ぶ可能性があります。
そのため、BCPジェネレーターでは、そのような緊急時にも医師やスタッフの活動を継続させるための「補助的な役割」として、導入することがおすすめです。
ここがポイント
クリニックの診療行為を継続させる為の「非常用電源」・・照明、エアコン、トイレ(ウォシュレットなど)、電子カルテなどの電源確保におすすめ。
BCPジェネレーターはコンパクトな設計であるが故、設置場所や運用方法には柔軟性があります。
そのため、浸水リスクのある地域ではご紹介したような「車両への搭載」についても、検討する必要があるのです。
まとめ
この記事では、小規模ホームとクリニックにおすすめ|LPG発電機の水害リスクを乗り越える方法について解説をしました。
記事のまとめ
- BCPジェネレーターは軽量設計なので、設置場所を選ばない。
- BCPジェネレーターは、車両へ搭載することも可能なので、電源車としての用途としても使用可能。
- BCPジェネレーターは、都市ガスとプロパンガスの両方で発電することが出来る。
最後に、水害のリスクを考慮した非常用電源の選択は、施設の安全確保に欠かせません。
BCPジェネレーターは、そのリスクを軽減しながら、確実な電源供給を実現するための最適な選択肢と言えるでしょう。
その特徴や利点を理解し、適切な選択を行うことで、水害時の安全対策をより一層強化することができるのです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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