日本のエネルギー供給におけるLPガスと天然ガスの役割は非常に重要です。
では、これらのガスはどのような違いがあり、どのように我々の日常生活や産業に影響を与えているのでしょうか?
この記事では、LPガスの基本的な事について解説をします。
記事のポイント
- 知ってますか?LPガスの輸入先。
- LPガスと天然ガスの違いについて。
企業のBCP対策が進む中、LPG発電機の導入を検討されている方で「LPガス」について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
日本のLPガスの輸入状況
日本で使用されているLPガスの約75%が海外から輸入されています。
これは、日本国内のエネルギー需要を満たすために不可欠なものであり、その大部分が中東地域からの輸入に依存していました。
しかし、近年ではその状況が大きく変わりつつあるのをご存知でしょうか?
2012年頃からアメリカ産のシェールの輸入比率が大幅に増加した事もあり、現在ではアメリカが日本最大のLPガス輸入元となっています。
主な輸入元の変遷(中東地域からアメリカへのシフト)
この変化は、エネルギー供給源の多様化と、安定供給を目指す日本のエネルギー政策と、アメリカでのシェールガス革命によるLPガス生産量の増加が背景にあります。
アメリカ産のシェール随伴LPガスの増加の背景
アメリカでは、2000年代初頭からシェールガス開発が進んだことにより、その副産物であるプロパンガス(LPガス)の生産量も大幅に増加しました。
これにより、アメリカは世界最大のLPガス生産国となり、その一部が日本を含む世界各地へ輸出されるようになったのです。
ここがポイント
2023年時点でも、LPガスの輸入元は「中東地域」だと思っている人も多いのが現状です。
オーストラリアやカナダの新規天然ガスプロジェクトとLPガスの増産体制
さらに近年では、オーストラリアやカナダで新規天然ガスプロジェクトが進行中であり、これらのプロジェクトに伴うLPガスの増産体制が確立されつつあります。
これにより、日本のLPガス調達先は更なる多様化が進み、安定供給が図られているのが現状です。
LPガスと天然ガスの比較
プロパンガスと天然ガスは、そもそも、その原料となる「石油」が異なります。
これらの違いは、それぞれのガスの特性や利用方法に大きな影響を与えているのですが、ここでは、もう少し詳しく解説をします。
LPガスの主成分と原料
LPガスは液化石油ガス(LPG)を原料としており、主成分はプロパンとブタンです。
これらは石油精製過程や天然ガス処理過程で得られるもので、液体として容易に輸送・保管できるため、地方や離島など都市ガスの供給網が整っていない地域で広く利用されています。
天然ガスの主成分と原料
一方、天然ガス(都市ガス)は液化天然ガス(LNG)を原料とし、主成分はメタンです。
メタンは燃焼時に大量の熱を発生させるため、エネルギー源として非常に優れた特徴を持っています。
ただ、メタンは二酸化炭素よりも温室効果が強いため、未燃焼のまま大気中に放出されることは、避けなければなりません。
供給方法の違い
LPガスと天然ガスのもう一つの大きな違いは供給方法です。
LPガスはボンベに詰めて各家庭に配送されます。
一方、天然ガス(都市ガス)は地下に埋設したガス管を通じて各家庭に供給されるため、都市部では都市ガスが主流となっています。
呼び方の違い?
- LPガスとプロパンガス・・ガスの主成分「ブタンとプロパン」の内、家庭用のLPガスにはプロパンが多く含まれていることから、一般的に家庭用は「プロパンガス」と呼ばれている。
- 天然ガスと都市ガス・・同じ物を指していますが、厳密に言うと「都市ガス」は、単一の成分だけで組成されていない事があります。
まとめ|今後のエネルギー供給の動向や選択肢についての考察
エネルギー供給の動向を見ると、日本ではLPガスの輸入元が中東からアメリカへと大きくシフトしています。
これは、アメリカでのシェールガス開発によるLPガス生産量の増加と、日本のエネルギー供給源の多様化・安定化を目指す政策が背景にあるからです。
また、オーストラリアやカナダで新規天然ガスプロジェクトが進行中であり、これらのプロジェクトに伴うLPガスの増産体制が確立されつつあります。
これにより、日本のLPガス調達先は更なる多様化が進み、安定供給が図られているのです。
これらの動向からは、エネルギー供給の未来は多様性と持続可能性に向けて進んでいることが見て取れますが、我々消費者にとっても、これらの情報を理解し、自身のエネルギー選択を行う上で重要な視点となります。
まとめ|プロパンガスと天然ガスの主な違いの再確認
本記事では、プロパンガス(LPガス)と天然ガス(都市ガス)の違いについて詳しく説明しました。
プロパンガスは液化石油ガスを原料とし、主成分はプロパンとブタンです。
一方、天然ガスは液化天然ガスを原料とし、主成分はメタンですが、供給方法も異なり、プロパンガスはボンベに詰めて配送され、天然ガスは地下のガス管を通じて供給されます。
最後に、LPガスについて誤解をされていた方も多いかと思いますが、調達先の多様化が進む事は、安定供給に直結します。
その結果、LPガス発電機(BCPジェネレーター)の「非常用電源としての地位」も、確率されていく事でしょう。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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